欧米学術出版社の複製使用料　値上げ相次ぐ

欧米学術出版社「Elsevier」など複製使用料の相次ぐ値上げ改定

―米国CCC、英国CLAと著作権管理2団体：「学術著作権協会」、「出版者著作権管理機構」―

*1年半を過ぎても収束の見えない新型コロナ・パンデミック状況下、お得意様におかれましては、産業経済活動と生活面におきまして

深刻な影響を受けておられることと存じます。ワクチン接種が浸透すると共に、一日も早い終息を願っております。

またこのような状況下、弊社「ADS学術文献複写サービス」をご利用いただき、有難く厚く御礼申し上げます。

さて、ご承知の通り、米国CCCおよび英国CLAと双務契約される「一般社団法人学術著作権協会」（JAC）および「一般社団法人出版者著作権管理機構」（JCOPY）の管理される外国著作物の複製使用料値上げが相次いで発表されております。

1）米国CCCに委託される欧米最大規模の学術出版社「Elsevier」出版物（全分野71,900誌を刊行）の複写複製使用料（不課税）は、

昨春の3,100円(2020/4/1改定)から1年後の今春には、3,500円（2021/5/1改定）と値上げ率12.9％に及び、既に値上げ改定が実施

されております（2021/4/6 JAC発表）。

2）英国CLAに委託される学術出版社も双務契約先の著作権管理2団体で、下記のような複製使用料（不課税）の値上げ改定を実施いたしました（2021/3/24 JAC発表）。

*Taylor and Francis：7,800円/論文単位、*John Wiley & Sons Ltd：4,700円/論文単位、

*Sage Publications Ltd：4,500円/論文単位、*Future Medicine Ltd：7,000円/論文単位、*BioScientifica Ltd：3,500円/論文単位

*British Editorial Society of Bone and Joint Surgery： 5,000円/論文単位。

　*上記の値上げ改定後の「複製使用料」は、著作権管理2団体と「文献提供許諾契約」を締結する「文献提供事業者」

（DS：ドキュメントサプライヤー）、JAC「個別的利用許諾契約」、「包括的利用許諾契約（全量報告方式）」、JCOPY「個別許諾

方式」、「年間包括許諾方式」などが適用対象となっています。

しかしながら、この度の値上げ改定の周知期間が1～2ヵ月と短く、また値上げ額が2桁台の12.9％に及ぶことから外国出版物の利活用に少なからず影響を与えることでしょう。

*DSの役割を担う弊社といたしまして、①予算決定期を控えての周知期間は、少なくとも3ヵ月、また②「相場」の視点からする複製

使用料は、国内著作物（250円～500円/論文単位）、国外著作物（2,800円～3,500円/論文単位）と内外比が約7倍から11倍にも及んで

おり、外国著作物の利活用を促進するためにも、国内著作物と同様に“広く浅い” 複製使用料を実現するよう著作権管理2団体に要望しているところです。

以上ご案内申し上げます。

*末筆ながら、罹患された皆様の早期回復と平穏な日々の訪れをお祈り申し上げます。

【提携先著作権等管理事業者】

公益社団法人日本複製権センター（JRRC）、一般社団法人学術著作権協会（JAC)、一般社団法人出版者著作権管理機構（JCOPY)

エーシー・ファクス株式会社　学術情報営業部　CPS著作権許諾サービス